ミドル〜ロング距離のトレイルランにおいて、上り/下り、結局どっちを頑張るのが正解なの?どっちが速い方が有利なの?って悩んだことがある人は多いと思います。こゆきもその1人です。

ちなみに私は、上りが相対的に速め。下りは怖くて超おそいから、めーっちゃ抜かされるんだよね。
今回は、トレイルランニング(距離30km以上)において、レース中の上り区間と下り区間のどちらに注力すべきかがパフォーマンスや効率にどう影響するかを分析した研究をまとめます!
下りが勝敗を分ける?!
複数レースのペーシングデータを解析した研究では、上位選手ほど「上りを抑えて下りでスピードを維持」する戦略をとっていたようです。レースの各区間で要したタイムの選手間バラつきは、上りよりも下りで大きく、トータルタイムの差につながる報告があります。
ちなみに、走行バイオメカニクスの分析では、上りではストライド頻度が速度差に、下りではストライド長の違いが速度差に、重要みたいです。
参考文献:
「Downhill Sections Are Crucial for Performance in Trail Running Ultramarathons」Genitriniら (2022)
「Kinematics and performance on uphill and downhill trail running in elite and well-trained athletes」Bettegaら (2025)
「Energy Cost and Kinematics of Level, Uphill and Downhill Running: Fatigue-Induced Changes After a Mountain Ultramarathon」Vernilloら (2015)
下りで”死ぬ”脚は予防できる?!
下りで脚がやられるのは皆さんご存知。レースでは、下りでの筋損傷が後半のパフォーマンス低下を引き起こします。特に勾配が急で長時間の下りや高速度の下りは筋損傷を増大させ、蓄積した筋疲労によりレース中のパフォーマンス低下や後半の失速要因となりえます。
レース前に、あらかじめ下りを繰り返し経験(練習)して筋肉を慣らしておく予防的トレーニングで、筋損傷の程度を軽減して下り耐性を高められるエビデンスがあります!レースにおけるパフォーマンス向上につながるかも。
参考文献:
「Downhill Running: What Are The Effects and How Can We Adapt?」Bontempsら (2020)
「Energy Cost and Kinematics of Level, Uphill and Downhill Running: Fatigue-Induced Changes After a Mountain Ultramarathon」Vernilloら (2015)
上りと下りの違いって?
同じ心拍強度上り/下りでTTをすると、下りの方が酸素摂取量が抑えられます=エネルギー負担が軽いです。一方で、上りでは心拍負荷が高く、下りでは心拍がやや落ち着くパターンがあったようです。適切な強度管理のため上り用・下り用に別々の目標心拍数ゾーンを設定するのもいいかもしれません。
そして、上りは主に有酸素能力(VO2max)と体重などの影響を受ける一方、下りは有酸素能力に加えて脚部の筋腱剛性の影響が大きいみたいです。つまり、上りでは体重の軽さ(低BMI)が有利で、下りでは脚のばね特性が重要!
参考文献:
「Physiological factors determining downhill vs uphill running endurance performance」Lemireら (2020)
「トレイルランニング時の心拍数を用いた相対強度の指標の作成」中村一輝 ら (2021)
上りを抑え、下りで稼ぐ!
「上りを抑え、下りで稼ぐ」戦略は、まずまず有効だということが分かります!ただ、タフなダウンヒルでは脚がパンパンになることも当たり前。なので、レーズ前からのトレーニングによる下り耐性の強化が成功のカギと言えそうです!
ただロングレースでは、序盤に攻めすぎると後半が極端に”垂れる”のも想像に難くないですよね。後半維持できる範囲でがんばりましょう!

差がつく下りで如何にスピード維持するかが、パフォーマンスを左右する!
日頃から下りは頑張って走るようにしよう!

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